H株の概要
H株というのは「ホンコン(HONG KONG)」の頭文字を取った香港株のことを言い、中国企業が香港に上場した時の銘柄を総称した呼び名です。中国の本土市場に上場した企業株の場合はA株、B株と呼ばれ、香港に上場した場合がH株と呼ばれることとなるわけですが、H株の登記場所や資本は本土にあります。また、HISサービス社ではH株指数と呼ばれるものも提供しています。
A株とB株は権利や額面の面からすると全く同一の株式であり、額面もほとんどの場合は一元とされていますが、この香港株も原則的にはA株、B株と全く同様の株式権利があり、額面は一元とされます。H株ではインフラ、重工業系の企業が多数を占めていましたが、最近では通信やその他のサービス企業もH株を上場させています。
H株の背景
中国本土に株式市場が誕生するのとほぼ同時に、中国当局は国有企業改革の一環として優良な国有企業の海外市場への上場を奨励しました。その主な目的は資金調達をはじめとした、国有の優良企業による国際市場開拓を踏まえた前段階としての海外への株式上場といった側面もありました。
香港は中国本土にとって、もっとも身近に存在する「海外」であるため、本土の企業が香港への株式上場を手始めに行ったのは、いたって自然な成り行きであったということができます。そういった経緯もあって、現在では海外上場の方法としては、香港に上場して海外資金を調達するというのがもっとも一般的となっています。また、こういったH株に対し、中国本土に登記していない本土資本の企業はレッドチップと呼ばれます。
P株とは
Private Companyの頭文字を取った「P株」と呼ばれるものがあります。これは民間企業銘柄を指し、中国や香港などの現地ではP株といった言葉は使用されず、「民企」という言葉が用いられます。最近では国有企業での銘柄よりも民間企業による銘柄が期待される風潮が強くなったため、H株やP株などといったような明確な区別化がなされるようになってきました。
ちなみに国有企業のことは「国企」と言い、国企はH株とも訳されます。なお、中国語では「H株」のことを「H股」と呼ぶこともあります。「H株」は「香港(HONG KONG)」を略したものなので、必ずしも国有企業を指すものではないため、たとえばH株のP株銘柄などといったものも存在します。
香港の株式市場
香港は、1997年に中国に返還される以前はアジアを代表する金融センターとして大きな発達を遂げていました。中国への返還後、返還されたといっても香港は中国より実質的に海外と同様の扱いを受け続けていました。規制緩和の方向にある現在でも、金融や証券において中国と香港との自由な交流は実現されていないというのが現状です。
香港には新興企業に向けた株式市場であるGEMが創設されています。アジアの代表的な指数として紹介されることが多いハンセン指数は、香港のマーケットにおける市況を反映しています。香港の市場は歴史が深く、金融サービス全般でも新興市場である中国本土より進んでいるといえます。そのため、本土企業が香港市場に次々と上場してくるわけです。
中国株の種類
中国の株式市場は大きく分類すると、香港と上海、そして深?の三つに分類することができます。これらを更に細分化すると、中国本土における上海ではA株市場とB株市場に分けられ、深?でも上海と同様にA株市場とB株市場に分けられます。また、実質的な海外市場とされる香港市場の場合では、メインボードとGEM市場に分類されます。
上海、深?の中国国籍における市場では、A株がそれぞれ中国人や国内機関投資家の市場となり、中国の中心的な市場となります。同じようにB株では外国人が投資できる市場とされ、A株市場よりも若干小規模の市場となっています。香港市場においてはメインボード、GEM市場に含まれる銘柄としてH株は中国本土に登記地がある中国本土企業が中心となり、レッドチップは中国資本が35%以上の香港企業の、中国に登記地がある中国企業、また、それ以外にもメインボード上場、GEM市場上場の銘柄などが存在します。
香港株と日本株の主な違い
前項で述べたとおり、中国株において外国人(日本人)投資家が買うことのできるものは、上海B株と深?B株、香港株だけとなります。また、日本株の場合、通常は決算日が権利確定日(配当などの権利が確定する日)と同日となっていますが、中国企業の本決算日は12月末とされている場合が多数です。また、中間決算日は6月末とされる場合がほとんどです。権利確定日が決算日と別となっているため、配当スケジュールは決算後の株主総会によって決定され、公告で権利落ち日が発表されます。権利落ち日以前に株を手放してしまうと、配当が受け取れないということになるわけです。各企業の決算や配当スケジュールを、それぞれ把握しておく必要があります。
香港株と日本株の取引上の相違点
日本株と中国株の取引において、もっとも大きな相違点となるのが手数料の問題でしょう。中国株の取引で日本の証券会社を利用して行うと、国内手数料のほかに現地手数料や印紙税などの諸経費に加え、為替手数料もかかってくるため、日本株よりも手数料が高くついてしまうのが普通です。
しかし2005年以降はネット専業証券会社の参入が目立ち始め、ネックとなっていた諸経費がどんどん削減されてきました。こういった背景により以前よりは手数料が割安になっています。また、それぞれの証券会社によっても手数料体系はさまざまなので、利用する証券会社についてはよく熟知しておきたいところです。さらに、日本株と中国株とでは通貨単位や売買日時、売買単位なども違ってくるので注意が必要です。香港株では値幅制限がないということも覚えておきましょう。